予防医療と東洋医学

東洋医学と西洋医学

東洋医学に対するものとして、西洋医学があります。ヨーロッパを起源とし発展した現代医学のことで、近年の先進国の医療は、主にこの西洋医学が主流となっており、日本で私たちが普段病院で受けている、ほとんどの治療も西洋医学治療です。

病を診る西洋医学

西洋医学は、様々な検査によって体調不良を引き起こしている箇所と原因を特定し、取り去るアプローチをすることで病気を治療していく手法が主に取られます。痛みをとったり炎症を抑えるための投薬や、患部を切除するための手術など、「対症療法」としての治療を主としています。

西洋医学は、革新的に研究が進み高度な技術が開発されるにつれて、研究領域の細分化が進みました。そのため診断された多くの病気や疾患に対し、より直接的な治療を提供でき、自覚症状のない疾患が発見できることもあるという強みがあります。

しかし、患部への直接的なアプローチが主であるために、身体への負担が大きく、患部以外の箇所のケアや、身体全体、心身をトータルでケアするという観点にはやや乏しいともいえます。

人を診る東洋医学

これに対し東洋医学は、病気を引き起こす理由をとらえることに重点を置き、患部だけでなく身体全体、心身をトータルで診るというアプローチをとります。

漢方薬や鍼・灸といった体にメスを入れない施術により、体質の改善などを促し、体全体のバランスを整え、免疫力を高め、病気を予防するための治療を行います。

外科的手術を必要とする病気や緊急性の高い症状への対処には弱い部分もありますが、身体への負担がなく、長期的なスパンで根本的に健康な心身を作るという考え方において、予防医療の分野では世界中から高い関心を集めています。