「肩や背中の痛みが続いている」「頭が重い」「よく眠れない」「疲労感が取れない」等々…。ストレスの多い現代社会において、このような「なんとなく体調が悪い」という症状を訴える人は少なくありません。
しかし、病院で検査を受けても、特に異常はないという状態を「不定愁訴 (ふていしゅうそ)」と呼びます。
身体が不調を感じているのであれば改善させるべき
西洋医学では、病気の原因を解明しその病気に対処すべく治療を行うため、検査で原因が特定されなければ、鎮痛剤や睡眠薬など、症状を軽減させるための処置以外に行う治療がありません。
東洋医学では、あくまでもこの「自覚症状」を重視します。検査で異常がなくても、患者が痛みなどの不調を感じていることは事実。その不調を起こさせた根本的な原因を、東洋医学独自のセオリーでアプローチし、身体の内側から調子を整え改善させていくのです。
不定愁訴を放置していては、気がつくと重度の疾患になっている場合もあります。そのストレスにより、身体の別の箇所に不具合が生じる場合もあります。
検査で異常がなかったとしても、身体が不調を感じているのであれば、それを診るというアプローチも東洋医学の予防医療といえます。
東洋医学には「1次予防」と同じ考え方がある
東洋医学には、病気を予防したり、病気になる前に治療を行うことにより健康を維持する「治未病」という考えがあります。
「未病」とは、まだ病気とはいえないが病気に向かいつつある状態のことです。その状態で治療を施す。つまり、東洋医学は、病気になる前に治療を施すことで「健康」な状態を維持するという「1次予防」と同じ考え方を元々持っているのです。
東洋医学は予防治療に適している
前述のように東洋医学と1次予防は、元々近い考え方を持っています。
食事・生活リズム・運動習慣などを見直し改善させることに加え、鍼・灸・漢方などの身体に負担の少ない治療により、身体全体のバランスを整え、病気になりにくい身体を作り、心身の健康な状態の維持を目的とする東洋医学は予防治療に非常に適しているといえます。